TALKIN' ABOUT IT.     by.佐谷光敏
  ■'83.3.27/R.R.CIRCUS-at.富士映劇



 堅いスキャンダルは直ぐに忘れ、馬
鹿げたゴシップだけか俺達のまわりで
踊り狂っている。
 ゴシップっていう奴は他愛もないハ
プニングや罪のないジョークをチュー
インガムみたいに脹らませ、興味本位
な連中の手中で「思い通りの真実」っ
ていうものにすりかわってしまう。き
っと第三者のフィルターを通す事によ
ってのみ自己の存在を知るべく悲しい
人達なんだろう。「俺達が麻雀に熱中
してステージをスッポカした」とか、
「俺のまわりには水子の霊が漂ってい
る」なんて言う、インチキ霊媒師みた
いら奴も。--俺さえ知らない事なのに。
 東京から帰るとまずライヴの話題よ
りも先に女に関するゴシップが俺の耳
に飛び込んて来た。本当に参ってしま
う。シンガポールに行ったわけじゃな
い。なけなしの金をはたいて、何の為
に東京に行ったのか--誰にだってわか
るはずなのに。どうもモダンドールズ
には、そんなイメージあるみたいだ。
俺達のロックにはセックスを感じさせ
る要素が強いから------

 モダンドールズにとって初めてのツ
アー(8/29広島青少年センター、
8/3ウッデイ・ストリート、9/2鹿
鳴館、9/3新宿ルイード、9/5新宿
ロフト)は全体を通して客の入りもよ
く、ノリのいいライヴが出来た。中で
も上出来だったのは東京3日目のロフ
トのステージだ。鹿鳴館、ルイードに
来てくれた連中も最初はとまどってい
たが、その日は俺達をだいぶん理解し
てくれて、リハーサルの頃から入□に
多くの奴等が待っていてくれた。結局
開場したものの全員入りきれなくて、
あわててシー卜をとっぱらった次第だ。

 俺達のビートに300人近い人の波が
揺れるっていうのは快感だった。店の
奴も初めて東京に出て来てこれだけゴ
キゲンなライヴをやったバンドは、初
めてだって驚いていた。そいつより驚
いていたのは俺達だったけど。

 東京のボールルームでいくつかのバ
ンドを見ることができた。四ッ谷のフ
ォーバレーで見たBLACK−50はいか
してた。他のバンドに関していえば、
見てくれはいいんだけど-----アイン
シュタインがいい事を言っていた。あ
る日彼の妻がこういった「お願いだか
ら何処かでいい服を買って来て下さい
よ。」すると彼はこう答えた。「そん
な必要ないよ。包み紙でポークチョッ
プを選ぶような人間は何処にもいない。」
って話したけど、俺は彼に賛成だ。
いずれにしろバンドにとって大切なこ
とはポークチョップの味だから程よい
甘味とピリッとした毒気のようなもの
がないとまずいと思う。包み紙ってい
うのはどうせすぐゴミ箱にすてられる
ものだから。

 最近俺達のサウンドがポップ指向に
項いてるとか、ロックンロールしてな
いなんて言う意見をよく聞くけど、そ
れについて1つ、2ついわせてもらう。
ある意味では、音よりも過激じやなく
なったと思うが、今、はやりらしいハ
ードコアパンクの連中がこぶしを上げ
て世間のモラルにつばを吐き、暴れて
いるけど、それがいったい何の革命に
なる?大半の奴は親のスネをかじりな
がら−人前のグチをたたく、(もちろ
んそうじゃない奴も知つている)これ
がロックだっていう奴には、もう何も
いわんけど、へ夕なアナーキズムは持

ってほしくない。ここは日本。イギリ
スの連中ほど緊迫したプレッシャーは
ないはずだ。俺も5年前、博多じゃあ
珍らしがられた金髪少年の一人だった
から、そんな気持ちわかるけど、社会
と自分との間に、自ら璧を造るのはド
ロップアウトっていうより、ある種の
ナルシズムに近い行動だ。
 考えてみれば俺もアナーキストな一
面がある。馬鹿げたことだけど10歳の
頃赤軍派の記事をスクラップして辞書
を片手に彼等の思想に興奮した時期も
あった。親にスクラップを捨てられて
からずっと忘れてたけど。
 それからセックス・ピストルズにつ
いては、バンドスタイルのひとつとし
てアナーキズムを強く取り入れた巧績
には頭が下がるけど、とりわけ日本に
住む俺には共鳴する歌詞はなかった。
 世界史のフランス革命やイギリス革
命の授業中いねむりしてた奴はピスト
ルズのアナーキズムにしびれたらしい
が、まじめな俺は、あの重苦しいビー
トにしびれた。モツズにしてもクラッ
シュばりのステージングだけどそれは
単にスタイルでクラッシュみたいに政
治的な事は唄ってない、どっちかとい
うと歌詞の面じやミック・ジャガー、
ボブ・ディラン風のスパイスのきいた
メッセージソングやラブソングが主体
だ。本屋で「無政府主義云々」ていう
本と「女の口説き方云々」ていう本が
2冊あったとしたら、どっちを読みた
いと思う?
-----俺はインテリじゃないから、後者
を読んで、しがないロックンロールを
歌うと思う----

 オイ、ロックンロールっていっ
たい何だ!



■'83.9.2/鹿鳴館

■東京ツアーOFF。東京ROCKERたちの
驚くほどの熱狂ぷりも充分うなずけるモ
ダンのPOWER。

■'83.10.30-多夢/東京ツアーから須崎
公園のライヴ・エクスプロージョン、
学園祭出演、そして西日本ケープルTV
の有線放送パイロット版制作のビデオ
撮影など、今後の展開が大いに注目さ
れるMODERN DOLLZ。


TopPagevol.13-contentsBAND INTRODUCTION-MODERN DOLLZSatanic Pink Champabne-by. Hi-Heel-K.