総 評 /Blue-Jug No.2


 人間この世に生まれ育っていく。その過程は幸福を求
め愛に生きようとする。数々の障害がある。僕達のまわ
りには、そんな障害があの角っこや四つ角でまっている。
独りでは危険だ、そりゃ独りで行こうとしている人もい
るけれど。そんな時に音楽というものがあれはどんなに
心強いことか……!
 ここ数年の間に音楽が除々にファッション化しつつあ
る。今はもう普通の喫茶店でもレコード(いわゆるロッ
クのレコード)を流しているし、3年ぐらい前だったら
ロックのレコードをかけていたらロック喫茶などと呼は
れていたのだが、音楽自体がファッションになりつつあ
る今喫茶店の片隅の恋人同志の語らいのBGM的な役割
しかもたなくなってきている。シャレたセンスとかナウ
なフィーリングとか流行にのってレコード会社が音楽
を売りだしている。ロックに興味を持っていなかった人
達の間にも浸透しはじめたのである。よってレコードの
売り上げがのびる。だからミュージシャンは売れそうな
はやりの音楽だけ目指してレコードを作る。
 レコード会社というものは音楽を商品として扱うのは
当り前であってピンク・レディだろうが山口百恵だろう
が音楽の良し悪しではなく早い話がレコードが売れれば
いいのである。売れそうなレコードを作りだすというこ
とは頭の中でコネまわしたものだから、聴く者にも身体
じゃ感じない頭の中でから回りする。ミュージシャンな
のだから、日本の歌謡歌手みたいなあやつり人形じゃな
いのだから本当に自分の信じる音楽というものをだいじ
にしてもらいたい。
 日本においてミュージシャンだけでメシ食っていけて
いる人ってどのくらいいるのだろう。好きな音楽でメシ
食っていくということは現時点においてむつかしいだろ
う。こういうことはわかりきっていることで書く必要は
ないのだけれど、アマチュアミュージシャンみていたら
どうしても書きたくなる。なんかレコード出せばプロに
なってそれだけでどうにかなるという連中が多いこと。
一発で終りというやつ、プロというものは一発だけじゃ
なくいかに持続させるかが、本当のプロと思う。
 頭の中で考えはやりの音を出していくよりも、自分自
身を表現するのに最も自分にあったやり方でそれを聴く
者に強い衝撃力を与え、さらに感動させてもらいたい。
 世の中自分が思うはどあまくないし、理想ばっかし書
いたけれど、これが理想じゃなく現実にやっているミュ
ージシャンだっているし、聴き手もものすごく求めてい
るのだと思う。
                   (ウィリー)